2011年05月26日
株式会社神鋼環境ソリューション
神戸市東灘処理場において再生可能エネルギー生産・革新的技術実証事業を実施します
−KOBE グリーン・スイーツプロジェクト−
神戸市(市長:矢田 立郎)と株式会社神鋼環境ソリューション(社長:青木 克規、以下神鋼環境ソリューション)から構成される共同研究体は、大阪ガス株式会社(社長:尾崎 裕、以下大阪ガス)の協力のもと、国土交通省が公募する下水道革新的技術実証事業に、「神戸市東灘処理場再生可能エネルギー生産・革新的技術実証事業 ‐KOBE グリーン・スイーツプロジェクト‐」を提案し、採択されました。
・下水道に好適な食品系(スイーツ)・木質系等(グリーン)の地域バイオマスを、神戸市東灘処理場に受入れ、下水汚
泥と混合することにより、バイオガス発生量を増加させ、同処理場を「地産地消型の再生可能エネルギー供給拠点」とすることを目指す。
・未利用バイオマスを下水汚泥に添加することで、資源化と汚泥処理効率化を図る。また、再生可能エネルギー生産に関
わる設備の建設費用や維持管理費用(LCC)を低減することにより、同種事業の普及促進を図るとともに、下水処理水の熱エネルギー回収等により温室効果ガス排出量の削減に貢献する。
・森林・街の緑の保全と連携した木質系バイオマスの、バイオガスとしてのエネルギー活用は、初の試みである。
1.実証設備の建設
・地域バイオマスを受け入れるためのグリーン・スイーツ受入設備。
・下水処理に好適な地域バイオマスを把握するための、実証用消化槽。
・バイオガスを精製するガス精製設備。
・下水処理水が保有する熱を回収して消化槽を加温するヒートポンプ設備。
2.運転データの取得
・上記設備の建設後に、地域バイオマスを受け入れて運転し、バイオガスの増加や温室効果ガスの削減効果を検証
する。
・地域バイオマスを、既設の消化槽を活用し、四季を通じての運転データを取得するとともに、バイオガス発生の安定
性を検証する。
・バイオガスの発生増加に向け、地域バイオマスの受入量の拡大を図る。
・実証運転を通じて得た知見をもとに、地域バイオマスやバイオガス活用のガイドライン策定に取り組む。
・東灘処理場では、汚泥減量化の過程で発生する消化ガスを高度に精製したバイオガス(愛称:「こうべバイオガス」)
を平成20 年4 月から、市バスや民間運送車両などに「自動車燃料」として活用する事業を行い、平成22年度は延べ約 13,500 台(約43万m3)に供給している。
・平成22 年10 月から、経済産業省の実証試験費補助金を活用した「バイオガス都市ガス導管注入実証事業」として
「こうべバイオガス」を「都市ガス」として注入する事業を実施し、平成22 年度は約 30 万m3を都市ガス導管へ注入している。
・これらの取り組みにより、東灘処理場は国内外から多くの見学者が訪れており、地産地消の再生可能エネルギー生産の
ショーケースとなっている。
・バイオマス(bio(生物資源)のmass(量))とは、化石資源を除いた再生可能な生物由来の有機性資源である。
・バイオマスの燃焼などにより放出される二酸化炭素は、生物の成長過程で光合成により大気中から吸収した二酸化炭素
であり(カーボンニュートラル)、温室効果ガス排出量削減、再生可能エネルギーの急拡大にはバイオマスの効果的な利活用が重要となる。
・下水道革新的技術実証事業では、下水処理場を地産地消の再生可能エネルギー供給拠点とするため、外部バイオマスの
活用や下水処理・下水汚泥エネルギー利用の高効率化を図ることをめざしている。
・温室効果ガス発生量及び建設コストを大幅に削減する革新的技術について、実規模レベルのプラントを設置して実証を
行い、報告書をとりまとめることを目的とした国土交通省の委託研究。
・新技術の研究・実用化の加速と水ビジネスの海外展開に向けた支援をめざす。
1.目的
バイオマスエネルギー利用の高効率化を図ることを目的として、大幅な温室効果ガス削減やコスト縮減を実現する革新的な技術を用いたシステムを既存の下水処理場において導入し、下記の事項について調査・実証のうえ、得られた知見やデータを報告書としてとりまとめる。
2.期間
国土交通省 国土技術政策総合研究所との委託契約締結の翌日 〜 平成24 年3 月23 日
3.参加者と役割
・神戸市:処理施設の運営調整、地域バイオマスの確保・受入調整等
・神鋼環境ソリューション:革新的技術実証設備の建設・運転・データ分析・解析等
・大阪ガス(協力):バイオガスの受入、バイオガス有効利用標準規格化等
以 上
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○お問い合わせ先
株式会社神鋼環境ソリューション 総務部 TEL(078)232-8018