2019年7月31日
大妻女子大学
株式会社神鋼環境ソリューション


ユーグレナグラシリスEOD-1株に含まれるパラミロンの
メタボリックシンドロームに対する予防効果について世界で初めて検証されました


 大妻女子大学(所在地:東京都千代田区、学長:伊藤 正直) 家政学部 青江誠一郎教授 と株式会社神鋼環境ソリューション(本社:神戸市中央区、社長:粕谷強)は、近年その機能性が注目されるユーグレナグラシリスEOD-1株(*1)に含まれるパラミロン(PM)(*2)がメタボリックシンドローム関連指標(*3)に与える効果について共同研究を行いました。その研究成果が2019年7月21日に国際科学雑誌Nutrientsに掲載されました。この論文はパラミロンの明確な効果を示した世界初の論文になります。
 ((Nutrients 2019, 11(7), 1674; https://doi.org/10.3390/nu11071674

【論文内容】

◆タイトル :

Effects of paramylon extracted from Euglena gracilis EOD-1 on parameters related to metabolic syndrome in diet-induced obese mice
(食餌性肥満モデルマウス(*4)のメタボリックシンドローム関連指標におけるユーグレナEOD-1株由来パラミロンの効果)

◆概要 : 

本研究ではユーグレナグラシリスEOD-1株に含まれるパラミロンがメタボリックシンドローム関連指標に与える影響について検証しました。
マウスを3つのグループに分け、「高脂肪食(Control)」、「高脂肪食+パラミロン低用量(2.5%PM)」または「高脂肪食+パラミロン高用量(5%PM)」を与えて飼育し、経口糖負荷試験(*5)や血中コレステロール、臓器重量等を調べました。
その結果、パラミロンの摂取量に応じて血糖値の上昇が抑制され、血中LDL-コレステロールや腹腔内脂肪重量が低下しました。
さらに、肝臓の遺伝子を調べたところパラミロン摂取により脂質代謝を調節する主要調節遺伝子(PPARα(*6))の発現上昇による脂肪酸分解の促進が認められました。以上の結果より、ユーグレナEOD-1株由来パラミロンの摂取量に応じて糖代謝および脂質代謝が改善される作用が認められました。


  今後もユーグレナグラシリスEOD-1株に含まれるパラミロンの詳細な作用メカニズムの解明を目指します。


(*1)ユーグレナEOD-1とは

当社が発見した新規株のユーグレナで、特許登録済。パラミロンをとりわけ豊富に含んでいることが特長です。

(*2)パラミロンとは

ユーグレナが体内に貯蔵する独自の成分。3本の直鎖状のβ-1,3グルカンがねじれあう螺旋構造をしており、その特殊な形状から様々な機能性が期待されています。

(*3)メタボリックシンドローム関連指標とは

メタボリックシンドロームとは内臓脂肪型肥満に高血糖、脂質代謝異常などが組み合わさった状態です。本研究ではメタボリックシンドロームに関連する指標としてマウスの内臓脂肪量、血糖値、血中コレステロール値などを調べました。

(*4)食餌性肥満モデルマウスとは

高脂肪食を摂取させることによって肥満を誘導したマウス。

(*5)経口糖負荷試験とは

ブドウ糖(グルコース)を摂取し血糖値がどのように変化するかをみる検査。ヒトでは糖尿病の診断などに使われます。

((*6)PPARαとは

ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体αのこと。肝臓などに発現しており、脂肪酸の  燃焼(β酸化)に関わっています。近年、体脂肪を減らす食品の開発で注目されています。


以上

発表資料はこちら
PDFファイル[213KB]


○お問い合わせ先

株式会社神鋼環境ソリューション 総務部 TEL(078)232-8018

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