日本初「塩ビ系廃棄物からの塩ビ再原料化工場」稼働開始について〜国内適正処理を通じて持続可能な循環型社会構築に貢献〜


2007年3月26日

 当社は、以前より(株)神戸製鋼所と共同開発している、高効率蓄熱輸送システム「サーモウェイ®」において、このたび、中距離の公道輸送実験に成功し、商業規模を想定した最終実証の局面を迎えました。

 本技術は、製鉄所や工場、あるいはごみ焼却場などで、従来有効利用されることなく放散されていた中・低温域(200℃以下)の廃熱を利用して、独自開発の高効率な蓄熱装置に熱エネルギーを蓄えて、トラックで遠隔地へ輸送する技術を開発しました。世界で初めて90℃以上の高温水としての利用を実現したことで、暖房や温水としての利用に留まらず、市販の吸収式冷凍機と組み合わせることにより、冷房用エネルギーとしても利用が可能となりました。
  パイプラインなどのインフラ整備が不要で、CO排出削減・地球温暖化対策にも結びつく有効な熱エネルギー利用手段として、集合住宅などの民間施設や地域・公共機関などの冷暖房・温水として、幅広く利用されることを期待しています。


<高効率蓄熱輸送システムの利用概念図>

 

 2005年7月には、小型蓄熱装置(約1トン)を製作し、叶_戸製鋼所の神戸総合技術研究所(神戸市西区、以下神戸総合技術研究所)から、当社の技術研究所(同)までの約5kmの間で、蓄熱したコンテナを公道輸送し、90℃の高温水を取り出す試験に成功しています。
  2006年12月には、装置を実機サイズで最小となる4トンサイズまでスケールアップし、パイロット試験に成功しました。2007年2月に入り、神戸総合技術研究所から、当社の播磨製作所(兵庫県加古郡)までの約35kmの中距離の公道輸送実験を行い、同じく90℃の高温水を取り出す試験に成功しました。

 将来的な実用化に当たっては、2007年度下期を目標にしております。装置単体としては、公道輸送を考慮して20トン程度の蓄熱装置が主流になると想定しています。この場合、1台の蓄熱装置で、およそ170万kcal(灯油換算で200リットル程度)の熱エネルギーが蓄熱可能であり、これは一般家庭40戸分の1日の暖房に必要な熱量に相当します。また、冷房の場合は、1台分に蓄えられた熱エネルギーの内、150万kcal(90℃以上の熱エネルギー部分)が冷熱転換により冷熱として利用できます。

 なお、本技術は2005年度〜2006年度の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)において、バイオマスエネルギー高効率転換技術開発で共同研究をしております。

<小型の4トン蓄熱装置を積んだトラック>


○お問い合わせ先
 株式会社神鋼環境ソリューション 総務部 ( 電話:078-232-8018 )

このウィンドウを閉じる