2009年10月26日
株式会社神鋼環境ソリューション

日本初のバイオガス都市ガス導管注入実証事業について

当社は、神戸市殿、大阪ガス株式会社殿と共同で、神戸市東灘処理場で発生するバイオガス「こうべバイオガス」を都市ガスとして活用するための実証事業に取り組むこととなりました。

都市ガス仕様に精製した下水汚泥由来のバイオガスを、直接都市ガス導管に供給する試みは日本初であり、本実証事業を通じて、運営方法や、経済性を検証することによって、同様の事業の普及促進やバイオマス資源の有効活用につながるべく努めてまいります。

>>>>>>2009年10月19日 3者合同記者会見時の記者発表資料はこちらをご参照ください。


本事業における当社の目的、役割等は以下の通りです。

1. 目的

当社は神戸市の東灘処理場において下水汚泥消化ガスの自動車燃料化を可能とする「バイオ天然ガス化設備」(商品名)の技術を確立、1.5年の実機運転実績を持っています。今回の実証事業で「バイオ天然ガス」の有効利用用途として都市ガス導管注入を実現することは、「バイオ天然ガス化設備」の販売促進において大きな推進力となると考えています。


2. 役割

今回の都市ガス振興センターの補助金公募には、神戸市殿、大阪ガス殿と実証事業に関する3者覚書を締結した上で、当社単独で申請、交付決定を受けています。必要となる設備の建設および維持管理や各種運転データの取得について当社が担当します。


3. 特徴、優位点

既存設備において、天然ガス自動車燃料の安定製造を実証している事は、今回事業の建設・運営において大きなリスク低減となっています。
当社の精製設備は消化槽を保有する処理場に必ず必要な脱硫設備として導入されていますが、導管接続用精製装置として兼用することができ、設備投資効果が非常に大きいと考えています。
性能面では、他の精製方式に比べて、97%以上のメタン濃度を常時達成できる点、原料ガスに含まれるメタンガスの97%を製品ガスとして回収できる点、H2S、シロキサンなどの微量成分の除去機能も具備している点、などの優位性を持っています。


4. 今回の実証事業における課題

今回の補助事業を活用し、バイオガスの高品質で安定した供給を継続するために必要な技術を検証することです。


5. 今後の見通し

2008年4月に大阪ガス殿など大手ガス会社がバイオガスの購入要領を発表、本年にエネルギー供給構造高度化法案が成立した事により、自治体やガス会社から当社精製装置について技術ヒアリングや検討依頼は増えてきており、拡販に取り組んでいるところです。


6. 同様事業の普及促進に向けてのポイント

@当該実証事業を通じて安全かつ安定した運転方案を確立するとともに、最適な設備仕様、建設費、維持管理費の検証を継続することです。
A今回の取り組みは、バイオガスを所有する神戸市殿の消化ガスの有効利用拡大や地球温暖化防止に対する強い意向があり、実現したものであることから、今後の普及促進においても、バイオガスを保有している自治体の理解と協力が不可欠です。
Bその為にも、今回のような導管接続設備建設に対する補助制度の継続や先般法制化された太陽光発電電力と同様の高価買取制度が創設されれば、一般ガス事業者の買取意欲と自治体などのバイオガス所有者の事業化意欲の向上につながると考えています。


以 上

○お問い合わせ先

株式会社神鋼環境ソリューション 総務部 TEL(078)232-8018

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