2013年11月25日
株式会社神鋼環境ソリューション


WET手法を用いた排水試験の受託を開始しました


 株式会社神鋼環境ソリューション(本社:神戸市中央区、社長:重河和夫)は、生物応答を用いた管理手法による排水試験の実施体制を整備しました。この手法は、Whole Effluent Toxicity(WET手法)と呼ばれており、これにより、絶えず増え続けている個々の化学物質の生態への影響のみならず、複数の化学物質が混合する事により発生する生態への影響の評価が可能となります。当社は企業等からの排水試験委託に積極的に対応致します。

 WET手法は工場などから出る排水が生態系に影響があるかどうか、生物を用いて調べる手法です。甲殻類(ニセネコゼミジンコ)、魚類(ゼブラフィッシュ)、藻類(ムレミカヅキモ)というそれぞれ体のメカニズムが異なる3種類の生物を用いて、繁殖試験や生長阻害試験等を行い、生物が正常に繁殖できるか確認することで、排水そのものに毒性があるかどうかを総合的に評価します。

 WET手法の長所としては、日々増え続ける膨大な化学物質の個々の物質を把握・管理するのでは無く、生物応答を利用することで、非意図的に作られた副生成物、環境中での変化物、複数の化学物質による複合効果等を捉えることができます。これにより、事業所の自主管理として、排水の環境影響を数値化(見える化)でき、目標値の設定が可能となります。

 当社は、2011年度から開始された独立行政法人国立環境研究所のレファレンスラボの生態影響試験実習セミナー(鑪迫典久(たたらざこ のりひさ)主任研究員主催)に数回参加し、WET手法を用いた排水試験に不可欠な生物管理と慢性影響(*)の評価手法を習得しました。並行して当社技術研究所内に3種類の生物の飼育及び培養設備を整備してきました。

 また、2012年度末に環境省から公表された「生物応答を用いた試験法(検討案)」に即した試験が実施できる体制が整い、既に実排水の試験実績を保有しております。WET手法は生態系への影響を図る指標としても活用でき、CSR(企業の社会的責任)活動の一環としてWET手法を用いた排水試験の導入を検討している企業等からの需要も見込まれるため、試験委託に積極的に対応してまいります。

 ○用語
  *慢性影響:水生生物の成熟・繁殖(増殖を含む)あるいは胚・稚仔に対する生存・成長などに阻害を及ぼす影響


以上

発表資料はこちら
PDFファイル[340KB]



○お問い合わせ先

  株式会社神鋼環境ソリューション 総務部 TEL(078)232-8018

このウィンドウを閉じる