2023年12月6日
株式会社神鋼環境ソリューション


下水処理におけるカーボンニュートラルの実現へ
富士市で水熱炭化技術の実証実験開始


 株式会社神鋼環境ソリューション(兵庫県神戸市、社長:佐藤幹雄)は、日本下水道事業団(東京都文京区、理事長:黒田憲司、以下「JS」)と共同で、下水処理におけるカーボンニュートラルの実現に向けた「水熱炭化技術(本技術)」の実証実験を開始しました。

  本実証実験は、JSの公募型共同研究「循環型社会の実現に向けた下水汚泥資源の利活用技術の開発」で当社が共同研究者として選定され、富士市西部浄化センター(静岡県富士市宮島1260番地)で開始しました。従来、下水汚泥を炭化方式で固形燃料化する際には、水分を除去する乾燥の工程と、有機物を蒸し焼きする炭化の工程が必要であり、多くのエネルギーを必要としていました。それに対し、本技術では汚泥を低温かつ湿式(液中で反応を進める方式)状態で炭化することで、固形燃料化に要するエネルギーを大幅に削減することが可能になります。そのため、本技術に必要な熱源は発電機等の排熱のみで賄えることが最大の特徴となっています。

  従来の固形燃料化技術では下水処理におけるカーボンニュートラルの実現は困難でしたが、本実証実験は下水汚泥のメタン発酵と本技術とを組み合わせて導入することにより、CO2排出量を実質ゼロにすることを目指すものです。本技術は、全国約2200ヵ所の下水処理場のうち、流入汚水量が概ね1万m3/日以上の約500ヵ所以上に導入が可能であり、下水道分野の脱炭素化を更に加速させることが期待できます。

  当社は、「今を越える発想で、健やかな環境と暮らしを次世代へ」をミッションとする中で、技術力の向上のみならず、新たな技術の研究・開発に注力し、社会課題であるカーボンニュートラル実現に向けて貢献してまいります。


【実験プラントの外観】



【水熱炭化のフロー】



【水熱炭化のメカニズム】



【本技術の主な特長】

■発電機等の排熱のみで処理が可能

■従来の炭化技術に比べて経済性が高い

■利用先に応じた固形燃料を製造可能

■メタン発酵との組み合わせにより下水処理のカーボンニュートラルも期待できる



以上

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PDFファイル[431KB]


○お問い合わせ先

株式会社神鋼環境ソリューション 総務部 TEL(078)232-8018

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