2025年1月29日
株式会社神鋼環境ソリューション
廃棄物焼却施設に係る点検補修工事等において
ダイオキシン類ばく露防止措置の不備が判明した件
株式会社神鋼環境ソリューション(本社:神戸市中央区、社長:佐藤幹雄)は、神奈川県足柄下郡箱根町から受託した箱根町環境センターにおける点検補修工事等において、当社従業員および協力会社の作業員にダイオキシン類ばく露防止措置として労働安全衛生法が定めるものとは異なった保護具を着用させて、作業を行わせていたこと等が判明しましたのでご報告します。
当社は事案発覚後、速やかに箱根町および所管の労働基準監督署に報告するとともに、原因究明および再発防止策についての調査・検討を進めております。また、他施設の当社工事においての類似事案の発生の有無について調査を開始いたしました。対象となる方々、家族の皆様、関係するすべての皆様に、健康面における不安やご心配をお掛けしますことを深くお詫びいたします。
当社としては、対象となる方々の健康不安に真摯に向き合い、医療機関等、専門家の指導を仰ぎながら、責任をもって健康不安の低減に努めていく所存です。
今後当社は、他施設を含めた調査を引き続き行うとともに、徹底した再発防止策を講じ、これを着実に実行することで、当社グループにおけるコンプライアンスの徹底に努め、ステークホルダーの皆様の信頼回復に全力で取り組んでまいります。
1. 本事案の概要
〇対象となる点検補修工事等は、2022年7月以降の19件であり、現在までの調査では、当社の従業員約40名、協力会社の作業者約230名が対象となります。いずれも法が定めるエアラインマスク等ではなく防塵・防毒マスクで対応するなど、適切な保護具を着用させずに作業させていました。
〇当社では、2023年度に受注した可燃ごみ中継施設への転用工事等の工事計画立案のために箱根町に対して作業環境測定結果の開示を求めたことを契機として、2024年12月6日に上記の問題を把握するに至りました。その後、事実関係の調査を行ったうえで、12月12日に箱根町環境課および所管の労働基準監督署に対し、当社より報告・相談を行っております。なお、当社は、2022年12月7日に、箱根町が同年10月19日に実施した作業環境測定結果の開示を受け、エアラインマスク等の保護具の着用が必要であることを認識し、対象エリアの清掃を行うなど作業環境の改善対応を実施しました。この改善対応を受け、その後の作業環境測定結果は2024年12月6日まで確認しておりませんでした。
2. 今後の対応
@ばく露対象者への対応
対象者の健康不安に真摯に向き合い、医療機関等専門家の指導を仰ぎながら、当社が責任をもって血中ダイオキシン濃度の測定など血液検査による現状の健康状態の評価に係る対応を実施すべく準備を進めております。
A他の廃棄物焼却施設の調査
当社の他の廃棄物焼却施設での工事において、類似の事案が生じていないか専門家(弁護士、医師)の指導を踏まえながら調査を進めております。
B原因調査と再発防止策
社外の専門家を交えて原因を調査・検証し、再発防止措置を講じてまいります。
(参考)国内の過去の類似事例における健康影響等について
廃棄物処理施設作業従事労働者のダイオキシン類ばく露に関する国内の類似事例について調査したところ、関係省庁等による健康影響等に関する複数の調査結果において、以下のような内容が確認されました。当社は対象となる方々の健康不安の低減に、真摯に取り組んでまいります。
・作業環境が第三管理区域となったにもかかわらず作業従事労働者がエアラインマスク等の保護具を装着していなかった事案において、検査の結果、当該作業従事労働者の血液中ダイオキシン類濃度は、他の廃棄物処理施設の作業従事労働者の測定値と同等であり、問題となった施設の作業従事労働者は特段のばく露を受けた集団ではないと判断された。(地方自治体ホームページより)
・ダイオキシン類濃度の高い作業環境で作業をしていた作業従事労働者に関し、血液中ダイオキシン類濃度が一般住民と比べ高い作業従事労働者は存在するものの、時間の経過とともに血中濃度は低下し、かつ、医師による皮膚視診や血液・血清生化学検査等からダイオキシン類のばく露による直接的な健康影響は認められなかった。(厚生労働省ホームページより)
引き続き、誠意をもって調査、対応を続けてまいります。
以上
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○お問い合わせ先
株式会社神鋼環境ソリューション 総務部 TEL(078)232-8018