2025年4月7日
株式会社神鋼環境ソリューション
「湿式炭化による下水汚泥利活用技術」が日本下水道事業団の新技術T類に選定
〜エネルギー自立型燃料化プロセスで処理場の脱炭素化に貢献〜
株式会社神鋼環境ソリューション(兵庫県神戸市、社長:佐藤幹雄)と地方共同法人日本下水道事業団(東京都文京区、理事長:黒田憲司、以下、JS)が共同研究・開発した技術である「湿式炭化※1による下水汚泥利活用技術(以下、本技術)」が、JSの新技術T類※2に3月28日、選定されましたのでお知らせいたします。
本技術は、メタン発酵との組み合わせによるシステムであり、従来よりも省エネルギーで、燃料や肥料利用が可能な炭化物を製造する技術です。製造された炭化物は、利用先に応じたかたちで製造することが可能であり、従来の炭化技術と比べて経済性が高いという特徴があります。またメタン発酵との組み合わせにより、下水処理におけるカーボンニュートラルの実現も期待できます。
本技術の選定により、今後JS受託建設事業等での導入が期待されます。当社は今後、本技術をはじめカーボンニュートラルに資する技術を全国のお客様へ発信、導入を目指し、2030年度に目指すべき事業像として掲げる「カーボンニュートラルのトップ企業」を実現できるよう取り組んでまいります。
【技術について】
技術名 :湿式炭化による下水汚泥利活用技術
選定日 :2025年3月28日
技術概要 :従来よりも省エネルギーで、燃料や肥料利用が可能な炭化物を製造する技術。
バイオガス発電排熱等を利用して効率的に炭化物を製造することで、下水処理の脱炭素化に貢献します。
技術の特徴:
[1] 湿式炭化を用いた省エネルギーな技術
炭化促進剤を添加して湿式炭化した後、圧搾により固液分離する。炭化物から塩素等の溶解成分の分離が可能であるほか、水分蒸発に係るエネルギーが不要となるため炭化の省エネルギー化を実現。
[2] 製造された炭化物の燃料または肥料利用が可能
製造された炭化物は投入汚泥と同等の固形分発熱量を有し、JIS※3を満足する固形燃料として利用が可能。菌体りん酸肥料の基準値も満足し、肥料としての利用が可能※4。
適用条件 :
対象汚泥 | 嫌気性消化汚泥 |
投入汚泥濃度 | 含水率70〜90% |
施設規模 | 投入汚泥量5t-wet/日以上 75t-wet/日以下:反応器は原則1系列 75t-wet/日超:反応器は原則複数系列 |
適用条件外の原料を受け入れる場合は、試験機による試験を実施し、想定される炭化物性状の確認を行うこと。
技術フロー:
※1 脱水汚泥を容器内で加圧・加熱して、スラリー状態(湿式状態)で炭化する技術
※2 JSが共同研究等により開発に関与した技術のうち、開発が完了、または実用化に一定の目途が立った技術について、
共同研究者からの申請に基づき、JSの受託建設事業における適用性について審査、選定すること
※3 JIS Z7312「下水汚泥固形燃料」
※4 炭化物の重金属濃度は、令和5年4月20日付け国土交通省事務連絡「下水汚泥資源の肥料利用の拡大に向けた検討に
ついて」に示された方法により概算可能
▼関連するプレスリリース
下水処理におけるカーボンニュートラルの実現へ 富士市で水熱炭化技術の実証実験開始(2023年12月6日)
以上
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