

業界トップメーカーの実績と信頼。
時代を先駆ける都市型冷却塔に挑む。
業界トップメーカーの
実績と信頼。
時代を先駆ける
都市型冷却塔に挑む。
PROLOGUE
みなさんは、冷却塔を知っていますか。オフィスビルや商業施設の運営、工場の稼働などに不可欠な設備であり、気化熱を利用して水を冷却する装置です。かつては大量の地下水を使って冷却していた時代もありましたが、地盤沈下のリスクや環境への悪影響を考え、貴重な水を再利用するシステムとして開発されました。当社は時代に先駆けて、冷却塔がまだ普及していなかった1962年頃から販売を開始。納入実績は世界40数ヶ国にわたり総数で5,000基を超えています。現在、工業用冷却塔分野で高いシェアを誇り、業界のパイオニアとして新たな挑戦を続けています。
冷却塔は、水を冷却する機器においてシンプルかつ効率的な装置です。省スペースで優れたエネルギー効率を実現しながら、水という貴重な資源を循環利用できる点において「節水」や「環境への配慮」などの特徴があります。当社は数多くの納入実績を有し、その用途はビル、病院、ショッピングモールなどの空調用、発電所や工場の機械冷却用など多岐に渡り、それぞれの用途に応じた最適提案が求められます。
中でも、地域の熱供給機能を一箇所でまとめて行う地域冷暖房用冷却塔は、高効率化による省エネルギーだけでなく、環境保全やヒートアイランド対策といったメリットが期待できるため近年再び注目を集めています。当社の地域冷暖房用冷却塔は1970年代から納入しており納入先は50箇所にもおよびます。
今回のプロジェクトの場所は、名古屋中心地の繁華街。新しく建設する高層ビルに設置する地域冷暖房用冷却塔の案件でした。お客様は安全かつ安定的な稼働に期待しており、過去の実績と信頼を重視しながら複数社の依頼先を選定していました。そこで50年以上この分野で実績を積み重ねてきた当社にも、初期検討の段階で声がかかり、このプロジェクトは始まりました。
繁華街の中心地での高層ビル案件は、普段の案件より難易度が一段と高くなります。限られた設備スペースであっても、高層ビルに合わせた耐震強度を満たした設計が要求されます。また他の設備工事や安全性との兼ね合いもあり、昼間に時間が確保できないことも少なくありません。さらに今回は冷却塔3基を施工する工事にも関わらず、ビル本体の工事スケジュールとの関係で、3基同時ではなく1基目だけ先に施工することになりました。冷却塔は1基ごとに独立しているわけではなく、3基が繋がって機能するため、本来であれば全てを同時に施工するのが理想。過去の分割施工での実績は多くなく、業界トップメーカーとしての臨機応変な技術力や判断力が問われる挑戦でした。
一筋縄では行かない案件ではあったものの、初期検討からお客様と丁寧に協議を重ねた結果、プロジェクトの受注に丸3年。その後の詳細設計では、耐震性・施工性を両立する設備を限られたスペースに収めるため慎重に検討を続けました。工事段階では、想定外のトラブルが何度かありましたが、その都度現場と本社で細かな調整や連携を重ねたことで、着実に施工は前に進んでいきました。ときには、悪天候の中で夜間作業が必要になった場面においても、本社の設計担当者からのサポートがあったことで難局を乗り越えることができました。現場が窮地に陥っていると時には役割を越えて営業、設計もチームとなって助け合い、その時の感情も共有していました。チームの団結と協力がなかったら、納期に間に合わなかったかもしれません。今回のプロジェクトでは、各担当者が責任と誇りを持って自分の役割を果たし、また次の役割へとバトンを繋いでいきました。前提となる安全や安心を満たしながら、納期には必ず間に合わせる。たとえ逆境や想定外があっても、当たり前に完成させることが、私たちが積み上げてきた信頼の礎です。
通常は6〜8名で作業するところを、最後のラストスパートの時期は、倍の人数を動員。これまで関わってくれた数多くの人たちの顔を思い浮かべながら、必ず間に合わせる気概で臨んでいました。初期検討から含めれば完成まで5年がかり、これまでの集大成のような感覚も味わいながら、このプロジェクトが無事に完成したときには「終わったー!」と現場全員で、思わず声をあげて喜びを分かち合いました。繁華街の高層ビルでの分割施工という、ニーズに応えた今回の案件が当社の実績に加わったことで、今後の次世代の社員たちが世の中の需要に対して、より自信を持って応えていくはずです。私たちもこのまま歩みを止めずに、今後も新しい実績の積み上げに向けて、勇気を持って挑戦していきます。
冷却塔の仕事は巨大なプラント建設よりも少人数のチームなので、一からつくり上げた達成感や愛着を持ちやすいと思います。みんなと連携をしながら、自分自身が「踏み込む。挑む。やり抜く。」というバリューを発揮すればするほど、チームへの自分の貢献を実感でき、面白さが増していきます。今後もチーム一丸で、業界トップメーカーとしてのシェア拡大だけでなく、あらゆるニーズや相談が集まる“冷却塔人気No.1”の企業を目指していきます。
EPILOGUE
冷却塔部 神戸営業室 1993年入社
インタビュー当時、冷却塔部で営業を担当。お客様から引き合いを受け、技術部と協力して受注。最後責任を持って売上を回収するまでを担当する。
冷却塔事業
K.T さん
冷却塔部 技術室 2017年入社
営業が受注した後の詳細設計を担当。強度計算、部材の選定等、冷却塔の全体設計を行い、原価管理まで行う。完成した図面を工事室の方々へ受け渡す。
冷却塔事業
D.S さん
冷却塔部 工事室 2017年入社
現場監督業務を担う。図面に基づいて、搬入計画、施工計画書、工程を練り、現場着工から完成までの責任を持つ。
冷却塔事業
K.H さん