みなさんは、プロセス機器をご存知でしょうか?あまり聞きなじみがないかもしれません。でも実はプロセス機器は、身近な医薬品、食料品、電子機器などにおける、様々な製品の原料を生産するのに欠かせない機器なのです。そして、日常的に使用する製品の原料を生み出す機器だからこそ、品質・安全性の向上に貢献することが求められます。
そんなプロセス機器を製造する当社の特徴は、オーダーメイド製品が多いこと。お客さまのニーズを確認しながら、当社テストセンター内での性能試験※を通じて、機器を設計、製造していくケースが非常に多いです。
性能試験はお客さま立ち会いで実施することが多いことから、プロセス機器を使用するうえでの要望に加え、隠れたニーズなどをお聞きする貴重な機会になります。そうしてお客さまからお聞きした「生の声」をカタチにした新たなプロセス機器が、多くの人々の生活を支えています。
私たちのプロセス機器からつくられた製品がCMで流れたり、店頭に並んでいるのを見たときが、この仕事のやりがいと誇りを実感できる瞬間ですね。
※性能試験:当社プロセス機器でのお客さまの製品の処理可否判断及び処理条件の最適化を目的に実施する。お客さまの目の前で、スケールダウンしたラボテスト機を動かし、実際に使用する試料を要望通りに調製することができるかをテストする。
新薬が製造できるプロセス機器をつくりたい。あるとき、医療関係のお客さまからそんなご依頼をいただきました。このプロジェクトのなかで私は、プロセス機器設計の主担当をはじめ、性能試験からお客さまとの打ち合わせ、先方工場内での機器の調整まで全般的に担当しました。
お客さまと機器の選定や運転条件などを話し合い、まずは社内テストセンターでお客さまの実原料を使用して試験をすることになりました。お客さまと連絡を取り合い、原料の特徴や危険性、お客さまが求めている処理時間、お客さま工場の情報などをヒアリング。テスト実施もお客さまと行い、処理可否の判断および処理条件の選定を進めていきました。
その後、実機の大きさや配置関係などの要望を組み込みながらオーダーメイドで設計していきました。設計の際には、お客さま工場内の環境をふまえた機器の使いやすさも考えることが重要です。そのために、お客さまとは何度も議論し、密にやりとりを重ねます。
このように当社では、お客さまとの密度の高いコミュニケーションを大切にし、本当のニーズをカタチにすることを心がけています。お客さまに寄り添う二人三脚での製品づくりが当社の強みです。
先にも述べましたが、設計を行う際にも、コミュニケーションをとりあうことは必要不可欠です。お客さまの工場の状況、求められている計測器の取付位置などをお客さまと密に連絡を取りあいながら設計を遂行していきます。
また、営業とのお客さま情報の共有や、上司からの設計に対するアドバイスもとても重要です。製造現場との打ち合わせなどもあり、設計はデスクワークのイメージが強いかもしれませんが、本当にたくさんの話し合う機会があります。
その点において、当社の職場は、悩みごとや不安なこと、困ったことがあっても周りにすぐに相談にのってくれたり、また日ごろから気にかけてくれる人が部署や現場問わず多くいる職場なので、効率よくスムーズに設計を行うことができます。
設計が進んでいくに伴い工場内に実際の機器が組み上げられていき、組み上がってから最後にお客さま立ち会いのもと試運転を行いました。そして、納品へ。
最初から最後までお客さまと密に連絡を取りあい、お客さまのお困りごとを解決し、求められていることを実現できたときに感じるやりがいは、何にも代え難いものがあります。
オーダーメイド製品は、お客さまの要望を限りなく100パーセントに近い状態までカタチにして提供できるところが魅力だと感じています。そうして完成した製品を、お客さまに喜んでいただけたときには大きな達成感を感じます。