C.S
廃棄物処理施設/設計
少し変わっているかもしれませんが、幼い頃から大きな工場が海沿いにずらりと並んでいる景色が好きでした。いつか自分もあのような大きなものを建てることができたら…という憧れがずっと自分の中にありました。学生時代にとりわけ楽しかったのは化学の勉強で、大学でも化学工学を専攻しました。そこで用水路網の環境調査をする授業を受けるうちに、環境に対する興味が湧いてきました。就活の時期になり、自分の興味、関心に当てはまる仕事を調べていくうちに出会ったのが、環境プラント(*注)という存在でした。
当社に入社を決めた理由は、ずっと憧れていた大きなモノづくりに携われること。そして、様々な環境ソリューション事業を通じて、未来の社会にまで貢献できること。これらの主な2つの理由に加えて、長く安心して仕事を続けられるイメージが湧いたことも大きかったですね。面接でお会いした社員の方々の雰囲気が、これまで出会ったどの企業よりも、とても話しやすくフレンドリーに感じました。実際、入社後の現在の職場でも誰もが気さくに声をかけてくれますし、こちらの相談や悩みを親身になって聞いてくれる上司がいるので、あの時感じた印象のまま働くことができています。
*注:廃棄物処理場、浄水場、下水処理場など、循環型社会の構築を支える各種施設の総称。
新設するごみ処理プラントの見積り作成が現在の業務です。当社が手掛けているのは、主に自治体向けのプラントなので、競争入札に向けていくつかの段階に分けて見積りを作成します。まずはお客様の要望を知るためのヒアリングから始まり、入札直前の詳細な準備書類に至るまで、様々なフェーズを経て受注を目指し動いていきます。このフェーズの中で、最初のヒアリング段階のことを、我々は“アンケート”と呼んでいます。配属から3〜4ヵ月目に託された役割が、とある案件の“アンケート”の主担当でした。
私たちが普段作っているものは、平均でも15〜20年と稼動させる施設です。だからこそ、項目や数字を単純にリスト化した見積りではなく、大きなプラントの中でどんな機械がどういった役割で動くのか、最終的にどのように流れで処理をするのかなど、実際に運用したときのイメージをお客様がリアルに想像して把握できる見積りにしなければなりません。仕事をしていくなかで特に達成感を覚えるのは、ひとつひとつの計算を積みあげていく先で、段々と建設するプラントの全体像が見えてくるところ。実際に建設予定地を視察することもあるのですが、ここにプラントが建てられて、この設備はここに配置されて…という完成後の景色を想像するのはすごく楽しい瞬間です。今後も様々な知識を学び、アンケートから受注、受注後の設計に至るすべてのフェーズに挑戦したいと考えています。
専門的な知識や初めて見る計算ツールなど、最初のうちは、「何がわからないのかがわからない」という状態でした。そんなときに、すごく安心させてくれたのが「何回でも聞いていい。わからないことは仕方ない」という上司のひと言。いま取り組むべき課題は何か、今後の計画をどう立てるべきかなど、細かいことでも都度質問することで不安が晴れて、前に進む勇気をもらいました。また、上司や先輩に「相談しやすい」カルチャーとともに、若手の意見やアイディアを積極的に「汲み取ってくれる」カルチャーもあります。計算ツールひとつにも、どうやったら使いやすくなるのか、みんながより理解しやすくするにはどうしたらいいのかと、年次に関係なく意見をいつも求められるので、若手が存在感を発揮する機会は想像以上に多いです。ひとりで何かに挑み続ける個人戦というより、みんなで意見を出し合ってより良いものを目指す団体戦が好きな人はマッチしやすい気がします。
当社を選んだときに一番ワクワクしたのは、環境や未来を問い続け、次世代に暮らす人々の日常にまで貢献できる仕事の時間軸の長さでした。まさに今私たちが設計している施設は、5年ほどの期間をかけて建設し、それから15〜20年動き続ける息の長いものです。幼い頃の私が見て感動した景色を、今度は未来の子供たちに届ける側になりました。いつか自分と同じ憧れを志望動機で語る後輩が入社してくれたら、とても感動的ですね。
大きなプラントが完成するまでには、たくさんの人が関わっています。年代も背景も異なる人同士が、同じ目的に向かって力を出し合う経験は、この仕事の醍醐味のひとつではないでしょうか。現時点で習得しているスキルを少し上回る課題に挑戦してもらうことで、着実にステップアップできる、そんな環境づくりを心掛けています。仕事を始めたばかりの頃は、新しく覚えることばかりで戸惑う場面が多いと思いますが、蓄えた知識と経験がやがてつながり「考える力」として身についていることを実感できた時、大きな喜びを感じるはずです。高いモチベーションを保って健やかに、一緒に未来に貢献していきたいですね。