ともに挑む先輩たち# 09

Y.M

# 冷却塔

# 機器設計

# 化学・化工

冷却塔/設計

小学生の頃に気づいた、
身近な川の環境破壊。
水資源の再利用から、
持続可能な社会をつくる。

小学生の頃に、月に一度クラスのみんなで近所の川を掃除する機会があったのですが、川に集まったごみの量の多さ、身近な自然が汚染されている風景に驚きました。普段から「綺麗にしよう」という意識がないと、自然環境は簡単に壊されてしまうのか。子ども心にそう思ったことが、環境問題へ関心を深めるきっかけになりました。私がいま扱っている「冷却塔」というのも、そのような環境問題の解決を意識して生まれた装置です。

工場や発電所などの生産過程で発熱する機械や設備を冷やすためには大量の冷却水が必要になるのですが、一度限りの使用で捨ててしまうのはもったいない。とはいえ、そのまま水をただ循環させているだけでは、温度が上昇してしまいます。そこで、水の循環ルートの途中に「冷却塔」を設置することで、常に水の温度を下げ、再利用し続けられるようにしています。先ほどの幼い頃の経験もあって、自然環境を守ること、環境問題の解決に関わることに携わる仕事がしたいという軸で就職活動も進めており、入社を決めました。いまは実際に水という限りある資源を、より持続的に活用する装置の設計ができることに、大きなやりがいを感じています。

経験が浅い中でも、
果たすべき責任とは。
自分視点ではなく、
お客様視点の旗振り役に。

現在は、新設する冷却塔の提案資料を主に作成しています。冷却塔を建てるために必要な部材の数量、工事にかかる人数や日数、使用する重機の種類などを割り出し、どれくらいのお金がかかるのかという全体像をとりまとめるのが仕事です。当社では、受注後に実際の冷却塔を設計するフェーズを「実施設計」、まだ受注前の、いわばお客様の判断材料となる資料を作成するフェーズを「計画設計」と呼んでいます。「計画設計」の場数を幾つか踏んだ後、私は初めて「実施設計」に挑むことになりました。「実施設計」では半年から1年の期間をかけて、冷却塔の詳細な設計から据付工事まで漕ぎつけます。設計が長期間になるほど、当然ですがお客様とのコミュニケーション機会も増えます。また、冷却塔のパーツとなる機器を発注するタイミングでは、各メーカーとの交渉も必要になります。

この新しい挑戦に立ち向かう中で支えになった言葉が、「責任感をもってやりなさい」という上司のひと言。お客様に対して責任を持ってひとつひとつ説明する、そのためには自分だけで解決できないことを、上司や先輩も巻き込まないと仕事が進みません。最初のうちは、時間をもらうと忙しい先輩の邪魔になるのでは……とためらっていたのですが、それでは結果的に仕事が止まるだけ、お客様にも迷惑をかけることになると反省しました。わからないことを素直に聞いて解消しておくことも誠実さであり、果たすべき責任のひとつ。「お客様のために、いま優先すべきは何か?」自分視点ではなくお客様視点で優先順位を考えて、必要があれば自分が起点となって関係者を巻き込んで前に進めていく。上司からの助言に含まれていた「責任感」の本質が理解できた仕事でした。

若手にあえて
重要な役割をあずける風土。
未知への挑戦が、
過去の自分を越えるカギ。

当社には、冷却塔を長く取り扱ってきた歴史があります。すでに数多くの実績があることで、あらゆるご要望にも自信を持って対応できることは当社の強みです。その上で、今を越える発想を追い求めて、さらに高品質なものを目指して日々努力を重ねています。また、営業部門や技術部門、施工管理部門といった領域の異なる部門がワンフロアにいることで“製販一体”となり垣根を越えた連携を生みやすくしています。これによってお客様からのリクエストにも、迅速なレスポンスが出来るのも特長ですね。

組織カルチャーとしては、これまで積み重ねてきた挑戦の歴史があるからこそ、若手にあえて重要な役割をあずけて、チーム全体でサポートしながら実践の中で成長させていく風土がずっと継承されています。私自身のキャリアも未知への挑戦の連続でしたが、過去の自分と比べて、スキル面でもスタンス面でも着実に成長できている実感があります。いま振り返ると就職活動も、何かと挑戦し続ける時期だと思います。わからないことが多く不安なときほど、勇気を出して自分から積極的に発信する姿勢がとても大切です。私の場合も、就活のときにリクルーターの方に質問をし、リアリティのある体験談を数多く聞けたことが、入社を決める大きな一押しになりました。とくに魅力的に感じられたのが、「同じ目的に向かって、チーム一丸で取り組める」「難しいトラブルに遭遇しても、みんなで乗り越える」という社風に関わるお話でした。みなさんも就職活動の中で、いい出会いがありますように。陰ながら応援しています。

あずけた人の想い

「あずける人」に
なってください。

設計業務を通じて「顧客と面着する機会を持たせたい(顧客の思いを捉える力)」、「若く柔軟な時期にこそ、捉えた顧客の思いを形にする経験をしてほしい」との想いから受注したオーダーの設計担当をあずけました。責任感を持って業務に取り組んでほしいですし、やり遂げられると信じています。また、周囲を頼り、巻き込んで業務を完遂させることは、新人であっても管理職になっても変わりません。会社という組織を活用し成果を出して、社会に価値を提供してください。今は、まだ頼ることばかりと思うかもしれませんが、それで構いません。一人で悩まず、質問し、理解し、自身の糧にして成長していってください。サポートは、惜しみません。将来、あなたが次の世代の「あずける人」になり、「あずけられた人」を支えてくれることを期待していますし、そのような人材になってくれると信じています。

ともに挑む先輩たち