ともに挑む先輩たち# 08

Y.K

# 冷却塔

# 機器設計

# 施工管理

# 環境・衛生

# 土木・建築

冷却塔/設計、施工管理

設計の視点。工事現場の視点。
異なる役割の経験が教えてくれた
「バランス感覚」。

工場などでは、運転中に発熱した機械を冷やすために冷却水を使用します。かつては汲み上げた地下水を使うこともありましたが、膨大な水が必要となる上に、地下水を使い過ぎれば地盤沈下に繋がるリスクがあるなど、環境に悪影響を及ぼしかねません。その解決策として、温まった水をもう一度冷やして循環させる装置として、「冷却塔」が使われるようになりました。入社後最初の2年は、この「冷却塔」の設計をしていましたが、3年目の4月からは施行管理部門へ異動になりました。冷却塔を実際に建てる工事を現場で監督するのが主な業務内容です。まだ異動してから日が浅いため、いまは先輩方の現場へ帯同し、工事にまつわる大まかな流れを学んでいる段階です。

設計の仕事と、施工管理の仕事。その両方の立場を経験できたことで、視点を変えながら気づけることが数多くあります。たとえば工事現場で作業をしているときに、「設計の段階で現場目線に立った配慮をしておけば、よりスムーズに動けるな」と、今までにない視点でアイディアが浮かびました。逆に、現場から設計の方へお願いするときにも、なるべく設計の立場から見て、汲み取りやすいような発信をすることができます。お互いの立場や視点を理解できていることが、より深い信頼関係に繋がっていく。そんなバランス感覚が段々と掴めてきました。これは今後のキャリアにおいても、チームに貢献できる能力だと思います。

誰でも見やすく、
理解しやすい情報伝達。
設計でも現場でも、
問われる本質は変わらない。

設計を担当していた頃、協力会社との窓口を任せられたことが、私にとって最初の挑戦でした。冷却塔という特殊な装置を、一から説明するのは容易なことではありません。まずは自分が冷却塔について深く理解していなければ正しく伝わらないこと。そして、相手のニーズを汲み取って説明の仕方を臨機応変に変えなければ、スムーズな理解に繋がりづらいこと。誰かに”教える側”の立場になることで、その難しさを初めて実感しました。さらに、当時はコロナ禍であり、オンラインで図面を共有しながら、立体的な構造について説明するのにも大変苦労しました。相手の立場に立って、あらゆる試行錯誤を重ねた末に、先方の皆様からの納得を引き出せたときは大変嬉しかったですね。

一方、施行管理は、社外の方と関わることが非常に多い仕事です。だからこそ、設計時代に“窓口”をした経験は、現在の業務にもそのまま活かされていると感じます。設計時代は図面、今は施工要領書等の工事関係書類と、扱うものこそ異なりますが、誰でも見やすく、理解しやすいものを作ることはいつも心がけています。

工事後に行う冷却塔の動作確認をしていた際に、異常な振動が検知されたことがありました。その際、即座に振動値を調査・分析し、どこが原因なのかをすぐに突き止めていた先輩の姿を見たときに、自分もいつかこうなりたい!と感じました。また、現場には釘や木材など尖っているものも多く、怪我を防ぐために安全手袋が必須です。ある作業員の方が手袋を忘れていたときに、先輩が注意するまで、私はその状況に気がつきませんでした。同じ風景を見ていたはずなのに、見えているものに違いがある。いずれはひとりで工事の現場を監督するからこそ、安全を第一に優先する姿勢は何より大切にすべきだと気を引き締めました。

先輩や上司から受け継いだ
伝える力と汲み取る力。
そのバトンを次世代の後輩たちへ。

「冷却塔部」には、お客様との窓口になる営業部門、装置の設計をする技術部門、そして冷却塔の建設や補修をする施工管理部門といった、様々な専門家たちがいます。それらの部門が垣根なく、ひとつのフロアに集まっているため、ワンチームで課題を共有しながらプロジェクトを進める体制が整っています。だからこそ個人戦ではなく、チームワークで最適なソリューションを導き出すことが、当社の仕事のスタイルです。年次や部門といった壁を作らず、お客様のために知恵を絞り合って切磋琢磨できる環境は、今後も大切にしたいカルチャーですね。

社会人として成長し続ける上で、コミュニケーション能力はやはり重要です。中でも、伝える力と汲み取る力は、どんな会社、どんな仕事においても、活きてくるスキルだと思います。学生時代からできるだけ、年齢や立場、価値観の異なる人たちと関わる機会をつくって場数が踏んでおけると社会人生活にも、きっと役立つはずです。

また、当社には伝える力や汲み取る力の見本となってくれる先輩や上司が数多くいるのはありがたいです。わからないことを素直に伝えたときには、「要はこの部分の知識が足りないだけだから、こういう進め方をしてみたらどう?」など、こちらの相談の真意を汲み取った上で、適切な解決策をわかりやすく教えてもらいました。いまは頼れる先輩や上司のバックアップに助けてもらっている状態ですが、今度は私が誰かの支えになれるように成長していきます。

あずけた人の想い

導いていく存在に
なってほしい。

彼には、素晴らしい先輩社員、社会人に成長していって欲しいという想いで、協力会社との窓口という業務をあずけました。協力会社との窓口という業務は「相手の力量を見定め、適切な業務を与える力」、「依頼した案件の進捗を管理する工程管理力」、「質問に対して正しく回答できる業務への理解力」、「人に物を教える指導力」、「提出物を正しくチェックする確認する力」、「コミュニケーションを上手にとる力」と色々な力を必要とします。これらの力は今後、後輩社員を導いていく立場に立つ上で非常に重要な能力ですので、ぜひ身につけてほしいです。

ともに挑む先輩たち