一般的に用いられる撹拌翼について、その特徴と標準的な寸法、動力数(Np)についてご紹介します。
概略図 | d/D | b/d | Np | 特徴 |
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4枚パドル翼![]() |
0.4〜0.5 | 0.1〜0.25 | 3〜4 | 構造的に最も簡単であるため、撹拌の基礎研究に使用される典型的な翼で、撹拌データも他の翼に比べて豊富です。 後退翼に比べ、剪断がやや強く、吐出効率がやや低い特性を有します。翼枚数は4枚が標準的ですが、2〜6枚までが一般的に用いられています。 |
4枚傾斜パドル翼![]() |
0.4〜0.5 | 0.15〜0.3 | 1.5〜2.5 | 翼上部から流体を吸い込んで下方向へ吐出させる翼であり、直パドル翼とファウドラー翼の中間的な吐出剪断特性を有します。 傾斜角度は45°が一般的であり、翼枚数は直パドル翼と同様に2〜6枚が用いられます。 |
6枚タービン翼![]() |
0.3〜0.4 | 0.15〜0.25 | 4.5〜6 | 6枚の翼をディスクに装着した翼で、液体を軸方向から吸い込んで半径方向に吐出します。比較的強いバッフルと組み合わされ、汎用的に広く用いられます。 また、液液分散における液滴の微砕化や気液分散(主に通気撹拌)に有効です。 |
3枚後退翼![]() |
0.5〜0.7 | 0.1〜0.2 | 0.8〜1.2 | パドル翼の吐出性能を向上させた翼です。後退羽根で流体を効率よく吐出させることができ、その結果、大きな槽内循環流を生み出すことができます。 また、多段翼化することで中粘度域の混合にも力を発揮します。 |
アンカー翼![]() |
0.9〜0.95 | 0.05〜0.1 | Np・Re = 150〜200 |
中高粘度(約1,000〜5,000 mPa・sを想定)向けの撹拌翼です。スパンの大きな翼を低速で回転させ、高粘度液の混合や熱交換促進に使用されます。 しかしながら上下循環流が乏しく、混合性能が劣るというデメリットもあります。 |