強い毒性を持ち、環境中で分解されにくい残留性の有機汚染物質(POPs)は、生体に蓄積し有害な影響を及ぼすおそれがあり、地球規模での移動と汚染を防ぐ対策が求められています。
私たちは、POPs対策技術を開発し、これらの環境影響・リスクの低減に取組んでいます。
金属ナトリウム微粒子を油中に分散した反応薬剤(金属ナトリウム分散体、SD)と、脱塩素位に水素を供与する反応促進剤により、有機塩素化合物を脱塩素・無害化する技術です。これまで、PCB、ダイオキシン類、BHC、クロルデンなどのPOPs処理への適用を検討し、安全に無害化できる技術として認められています。
POPsに関するストックホルム条約で新たに規制対象に追加された有機ハロゲン化合物についても、バーゼル条約の技術ガイドライン(分解率99.999%)を達成可能な処理技術として、適用可能性を検討しています。
POPs無害化処理の
ラボ試験の様子
PCB脱塩素化処理の主反応
SPプロセスはカナダPowertech社で開発されたPCB汚染油処理技術です。
当社にて世界で最も厳しい処理基準である日本国内法を満足する反応条件を検討し、高濃度PCBの低温処理法を確立しました。また反応副生成物の処理方法、迅速な分析評価方法の確立にも取組んだ結果、民間企業や広域処理施設に採用され、PCB無害化処理の推進に貢献しています。